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(妄想小説)僕たち少年探偵団(第2部) 第3話 [妄想小説]

 2人は、必死で走った。途中で何度も転んで、泣き出しそうになりながらも、必死で走った。そして駅前の交番についてお巡りさんのお兄さんの顔を見た瞬間涙が溢れて来た。ワンワン無きながら、2人は必死でお兄ちゃんに事情を説明した。
「今度は、熊田先生と近藤のお兄ちゃんが捕まっちゃったの・・・」
「今日は、ちゃんと証拠もあるよ!助けてよ!雷のおじさんも、熊田先生も、近藤のお兄ちゃんも殺されちゃうよ!」
 大泣きのだいちゃんとこうちゃんの差し出したカメラを再生すると、自分のアナニーの動画が出て来た。須藤警部補は、思わすギョッとして冷や汗が零れた。
「お巡りさんの奴の後だよ〜ッ、早く見てよ!」
 動画を早送りすると、確かに二人が捕まり、どこかに連れて行かれるところが写っていた。須藤は、すぐさま警察本部に報告。間違いないと伝えた。だが、どこに連れて行かれたかが判らない。警察本部では、管内のパトカーに不審車両がいないか確認させると伴に、捜査員を増強して、捜査を始めた。
「もう安心して、今お巡りさん達が、一生懸命に行方を捜してるから・・・」
「お願いだから、お巡りさん、僕たちと一緒に来てっ!どこに連れて行かれたか知ってるから・・・」
「連れて行ってくれないと、もうほかに頼む人いないんだよ!」
 この動画を他の人に見せられることを考えると、身が縮む思いがした須藤警部補は、ミニパトに2人を乗せ、2人の言う通りに走らせ、倉庫に向かった。
「だめだよ!そのまま入ると悪い人が戻って来た時にバレちゃう!裏に回って・・・」
「倉庫の裏に見つからない場所あるから・・・そこ、そこを左に入って・・・ここだよ!」
 2人は車が止まるとすぐに、倉庫の裏のスレートが破れた場所に向かった。須藤警部補が後に続いた。2人がスレートの中に潜り込むと雷のおじさんが裸のまま床に伏せて隠れていた。
「お巡りさんのお兄さん連れて来たよ!お兄さん、こっち、こっち!」
 須藤警部補は、スレートの隙間から入ろうとするが、頭しか入れなかった。そして顔を上げると、そこに雷のおじさんのイボイボのデカマラが見えた。一瞬、ギョッとすると同時に顔が赤くなった。
「お巡りさん、おじさんのチンチンだけ見てないで、こっち、見てっ!」
 見上げると、そこに殴られ、血を流した全裸の元也がいた。
「後、熊田先生と近藤のお兄ちゃんも、隠れてるの・・・。お願い助けてっ!早くしないと、悪い人達が戻って来ちゃう!」
「よしっ!ちょっと待って!危ないから、2人はパトカーに戻っておきなさい!後は、お兄さん達が、みんなを助けるから・・・」
 雷のおじさんにも、そうしろと言われ2人はミニパトに戻った。そして須藤警部補は、ミニパトを安全な場所に移動させると、警察の無線で、状況を報告した。
「本部!本部!こちら警ら3号、被害者の監禁場所を確認した。港の倉庫街外れの青雲会の倉庫の中、倉庫内に不審なダンボール多数あり、消音の上、緊急に来られたし・・・」

 その時、真っ黒な車が、倉庫に向かって走って行くのが見えた。4人の厳つい男達が、コンクリートとドラム缶の様なものを担いで倉庫に入っていった。
 すぐに近くにいたパトカー含め10台の警察車両が倉庫にやってきた。
「警察だっ!お前らが拉致監禁してることは判っている!扉を開けろっ!さもないと突入するぞ!」
 中からは返事がなかった。すると倉庫を取り囲んでいた20人程の警察官たちが、一斉に倉庫に突入した。何発かの銃声が聞こえたが、すぐに静かになった。
 突入した警察官は、相手に反撃する隙も与えず犯人を逮捕し、被害者を救出した。その後、すぐに救急車が3台到着して、雷のおじさんと熊田先生、そして近藤のお兄ちゃんを病院に搬送した。実は青雲会には、麻薬密輸の容疑が掛けられていて、警察はいつ突入するかのタイミングを図っていた。ただ証拠不十分で突入し、証拠が出てこないと、さらに捜査が難しくなることから、証拠を集めていた最中だった。そこに今回の誘拐事件が起き、別件での捜査が可能との判断で、倉庫とは別に青雲会の事務所にも、同時に捜査員が突入し、全員を麻薬の密輸入及び傷害並びに拉致監禁の罪で逮捕した。青雲会は、その後解散した。

 事件が解決した後、一応事情調書するため2人はミニパトで警察署まで連れて行かれた。警察署に着くまでの間、須藤警部補に自分の動画に関しては、直接事件にも関係ないし、くれぐれも話さないようお願いされた。警察署で事情聴取が終わり、刑事さんに連れられて、警察の会議室に行くと、大勢の報道のカメラマンや記者が集まっていた。2人が部屋に入ると、まぶしいぐらいのフラッシュが焚かれた。
「こちらが、今回、お手柄を立てた2人です。皆様のお手元に配布の資料のとおり、未成年であり親御さんの許可もまだ取れておりません。また関連団体からの今後の脅迫や嫌がらせ等も想像できます。掲載時には、この2人が特定されないよう仮名を使用の上、後ろ姿やモザイク処理などのご配慮をお願いいたします。詳細については、明日、記者会見を開く予定ですが、第1報として、取り敢えず皆様にご紹介します。」
 たくさんのフラッシュが、また焚かれ、テレビカメラでも撮影された。その後簡単な質問だけがされ、詳しくは明日と言うことで、家に帰った。
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