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(妄想小説)真夜中のトレーニングジム 第7話 [妄想小説]

「詳しく話しますから開けてください!それとも、ここで大暴れして、警察沙汰起こしましょうか?・・・あっ、ありがとうございます!」
 一樹が、マンションの玄関のオートロックを解除し、少し経つと一樹の部屋の呼び出し音が鳴った。扉を開けると、そこに明日真が立っていた。
「なっ、なんだよ!取り敢えず入れよ!」
「今晩は!本当に夜分、失礼します。えっとですね・・・。ちょっと話があって来ました」
「何で俺の家の電話番号や住所判ったんだよ!」
「まあまあ、おいおい話しますから、最後までちゃんと聞いてくださいね!まず最初に言っておきますが、俺の仕事って要人警護なんすよ。だから会社の身分証明書も運転免許証もすべて偽物です。まあバレないように一応、社名はそのままですが、所属も氏名も住所も生年月日も架空です。」
「えっ?どういうことだ?」
 敬治と一樹が、一斉に立ち上がった。
「あっ、それでか・・・」
「何、庄司どういうことだよ!」
「ロッカーで免許証見た時に、住所覚えてて、訪ねたことがあるんだけど・・・。マンションじゃなくてテナントビルだった・・・」
「ああっ!庄司、お前なに抜け駆けしようとしてたんだよ!」
 初めて知った庄司の抜け駆けに、敬治が庄司に飛びかかった。
「いや!いや!庄司さんの行動は正しいです。まずは疑って、確認するのが正解っすよ!ただ、おかしいと思ったら情報を共有しなくっちゃ!」
 明日真は、笑いながら2人の喧嘩の間に割って入った。
「一応、皆さんのお名前やお仕事、生年月日や出身地、本籍地など調べさせてもらいました。そう!そう!もちろんお仕事も・・・。あの〜っ、敬治さん!俺の収入、たぶん敬治さんの所得の倍ぐらいはあるかと思いますよ!(笑)」
「おっ、お前っ・・・」
 敬治が、真っ赤な顔で、明日真を睨み付けた。
「そう!そう!俺の写った画像や動画どうでしたか?俺より収入良いはずなのに、それでエロビデオ作って儲けようって、ちょっとねえ・・・」
「まさか、あのモザイクもお前が・・・」
「さあ?ちゃんと写ってなかったんですか?ありゃ、残念だなあ・・・。俺の出世作になったかもしれないのに・・・。ウイルスですかね?最近、メールに添付されて、妙なウイルス流行ってるみたいですから・・・(笑)」
「でっ、でもよ、お前には証拠がねえだろうが!俺たちは、最初に撮影した証拠動画それぞれ3人とも持ってるんだぜ!」
「よお〜く聞いてください!あのジムには、うちの警備会社からお願いして最新のシステムがテストとして入れてあります。通常と違い、撮影してる動画を監視室に回すか、それとも別録音・録画するかを選択できるんです。俺は、ジムのオーナーさんの許可を取って、自分がいる間だけ、別に録音と録画するよう操作させてもらってます。あくまでもテストとしてですが・・・。つまり俺がジムにいる間に、監視してる人間が異常に気がついてここに来ると言うことは、システムが正しく動いていないということなんです。俺が、ここで何をしようが、何をされようが、俺がいる間は、システムが正しく動いてる間は、誰も来ません。ただし、その間の音と動画はちゃんと残っています。うちの会社のデータバンクにね!その事は、会社もジムも承知の上での契約してますから、うちの会社だろうと、ここのジムだろうと訴えるのは無理でしょうね!ただし、俺が3人を恐喝だと訴える証拠としては使えるかと思いますよ!」
「じゃあ、何で最初にそう言わなかったんだ?さいしょから、そう言えば俺たちだって・・・」
 明日真の話を聞き、敬治が肩を落としながらそう言った。
「まずは敵を安心させることが、こういう場合大切なんです。そうすれば隙ができます。いまの3人のようにね!最初に、もし俺がそう言えば、開放してくれましたか?いや〜っ、たぶん撮影した画像や録画で俺を脅そうとするか、そのまま放置して帰ったでしょう。そして、もしかしたら画像や録画をネットに流し、会社やジムの嘘やでまかせを流布したんじゃないかな?もちろん証拠はありますから戦えば負けることはありませんが、その分長い時間と費用が必要となります。まあ、それに3人と一緒に遊ぶのが楽しかったっていうのが本音かもしれません」
「じゃあよ!俺たちどうしようってんだ?警察にでも突き出すか?」
「いや〜っ、そうするメリットないっすから・・・。今までどおりっすよ!」
「えっ?今までどおりって?????」
 3人は、驚いた顔で明日真に詰め寄った。
「警察に訴えませんし、今までどおり俺使って遊んでください!俺も楽しいし・・・。ただ、まず恐喝は通用しないってこと!それとお互い対等の立場で遊びましょうよ!変に儲けようとか考えずに・・・!そのことだけを守ってくれれば、これまでどおり好きな時に俺を呼び出して好きに使って良いっすよ!俺の顔さえ写さなければ、どんな写真だって動画だって撮影してもらっても構わないし、ネットに流出させてもらっても良いっすよ!まあパソコンに取り込んだ時点で、俺の顔にはモザイクが勝手に入りますけどね!ただし敬治さんと一樹さん、庄司さん、それと俺が飽きるまでって条件で・・・」
「えええええええっ?今夜も行くのか?」
「嫌ですか?嫌なら・・・」
「いっ、いや、そんな訳じゃあ・・・ただ、テンションが・・・」
「そう!そう!この間のマッチョさん達との絡み見ました!ちょっとねえ・・・。ありきたりと言うか・・・。なんかやらされてる感じがして・・・。素人の自分が言うのも変なんですが、たぶんあれじゃあ俺の顔写ってたとしても売れないっすよ!皆さん3人に回されてる時の動画の方が、画質は悪かったっすけど、臨場感あってエロかったっすよ!俺の顔もちゃんと写ってたし・・・(笑)」(終わり)
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