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(妄想小説)マンコ先輩 第1話 [妄想小説]

「ゴラぁーッ!お前らやる気あんのか!もっと挑んで来いよ!!!!!!」
 慶吾先輩のバカでかい怒鳴り声に、同じグランド使ってるサッカー部の連中まで。びびって、こっち向いた。

 うちのラグビー部に、キャプテンより怖がられている先輩がいる。それが、左プロップの福井慶吾さんだ。2年の時から左PRを任されるだけあって、とにかくデカい、身長190cmで体重115kgと体格だけでも全日本クラスだ。このごっつい身体に鬼のように厳めしい顔が乗っかってる。で、九州出身とかで、色黒で毛深い。しかも福井先輩は、頭より身体っつうか感情で動くタイプだと思う。1度こうと決めたら、キャプテンがありとあらゆる手を使って説得しても、頑として聞かない。だから、怒るときは、それこそ雷が落ちたっつう表現がピッタリくるぐらいドデカい声で怒鳴り倒される。耳元で怒鳴られると、鼓膜破れるんやないかと心配するほどデカい声だ。逆に、キャプテンは福井先輩と違って、頭脳派だ。いつも冷静で、周りをよく見て緻密な作戦を練るタイプ。だから、大声上げて怒られることはないが、その代わり嫌と言う程、ねちねちと追い詰め、とことん突き落とされる。

 そんな福井先輩だけど、実は俺には妙に優しい。まあ1年の時から先輩の部屋子として、身の回りの世話してるっつうのもあるけど、先輩と一緒に過ごして来たお陰で、先輩に怒鳴られることに慣れたっつうのもあるかもしれない。それに一見怖そうに見えて、本当は気は優しくて力持ちってタイプだし、人目に付かないとこじゃ、野良猫に餌あげてたり、結構甘い物好きで、ケーキやパフェ系に目がないっつう可愛いとこあるのを知ったお陰で、最近じゃ、どんだけ怒鳴られてても、それ思い出して、「こう見えて、実は可愛いとこあるんだよなあ・・・」なんて、ニヤニヤしながら怒られてるもんだから、どうも俺相手には、怒鳴りにくいみたいだ。まあ、それでもちゃんとクラブじゃ、慶吾先輩は立ててるし、指示には従ってる。一応、チームだもんな!

「お前、女としたことあるか?女のこと、知ってるんか?」
 そんな福井先輩が、合宿所の部屋でくつろいでる時に、突然聞いてきた。
 俺の高校は、ラクビーにはとんと縁のない無名の公立高校で、ラグビー部っつうても、半分遊びでチャラチャラ楽しくやってた方だったから、結構遊ぶ時間あったんで、一応、一通りのことは経験してきた。ありがたいことに、最近じゃガタイ専っつう女がおって、俺みたいに図体でかいだけでも、声掛かった。
「はい!何度か・・・。こう見えて、結構モテたんすよね・・・(笑)先輩は、どうなんすか?」
「いやっ・・・。俺は・・・。一応、言っておくが、童貞じゃねえからな!絶対に・・・汗」
 ははん、こう言うてるけど、ここまで否定するっつうのも妙だ。変な汗かいてるし、こりゃ先輩は、絶対に童貞だな!まあな、子どもの頃からラグビー一筋で、ラグビー界じゃあ名の通った高校も推薦だったみたいだし、うちの大学だって上級生から引っ張って貰ったみたいで、合宿所生活が長く、ほとんど女と関わったことがないんだろうな。
「何でまだ、そんなこと聞いてくるんすかぁ?????ここは、男同士、正直に話しましょうよ!」
「いや、実はよ・・・。去年卒業したOBの小林先輩がさ、俺みたいな厳ついのが大好きな同僚がいるから、紹介してくれるって・・・だけど俺、女の前に出ると、上がるっつうか、緊張して、何も話できなくなるんだよなあ・・・。だから、まあお前が慣れてるなら、いろいろ教えてもらおうかなって・・・」
「そう言うことなら、協力は惜しみませんよ!何でも聞いてください!ところで、デートの予定はいつなんすか?」
「来週の日曜日・・・」
「えええええっ、もう10日もないじゃないっすか??????」
「だから、焦ってきてよ・・・」
「もう!もっと早く言ってくださいよ!んじゃ、取り敢えず、聞きておきたいこと質問してください!」
「すっ、すまん!やっぱ、最初のデートって、どっ、どこに行けば良いんだ?」
 いきなり先輩は、正座すると、身を乗り出して聞いてきた。
「何、想像して緊張してるんすか!そんなんじゃ、当日はもっと緊張してしまいますよ!リラックス!リラックス!」
「おう・・・」
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